「ポータブル電源、どの容量を選べばいいかわからない…」
そう感じている方は多いと思います。
スペック表を開くと「Wh」「W」「定格出力」といった文字が並んでいて、何がなんだかわからなくなりますよね。
その結果、「とりあえず大きい数字のを選んだ」とか「安いやつを買ったら使いたい家電が動かなかった」という失敗が起きます。
実はポータブル電源選びで後悔する人の多くは、スペックの意味を理解しないまま買ってしまっているのが原因です。
この記事では、難しい電気の知識は一切不要で、自分には何Whが必要かを計算できるようになることを目標に解説していきます。
読み終えるころには、「自分はこの容量でいい」と自信を持って選べるようになります。
ヒカリちゃんWhとかWとか、スペック表を見るたびに混乱しちゃう…
ワット博士難しく考えなくて大丈夫だよ。「Wh=タンクの大きさ、W=蛇口の太さ」というイメージで考えると一気にわかりやすくなるんだ。順番に説明していくね。
- WhとWの違いを直感的に理解できる
- 自分に必要な容量を3ステップで計算できる
- 用途別・容量の目安がわかる
- 容量だけで選ぶと失敗する理由がわかる
- 自分に合うポータブル電源を診断で見つけられる
なお、どのメーカーのどのモデルを選べばいいか迷っている方は、先にこちらの記事も参考にしてみてください。

ポータブル電源の容量選びで失敗する人の共通点

容量選びで失敗する人には、ある共通点があります。
- 「なんとなく大きければ安心」で選んでしまう
→ 重くて持ち運べない・値段が高すぎて予算オーバー - 「とにかく安いやつでいい」で選んでしまう
→ 使いたい家電が動かない・すぐ電気が切れる
どちらも「買ってから後悔する」パターンです。
ヒカリちゃんじゃあ、どうやって選べばいいの?
ワット博士ポイントはシンプルだよ。「自分が何に使いたくて、どのくらいの時間使いたいか」を先に決めることなんだ。それさえ決まれば、必要な容量は自然と計算できるよ。
この記事ではその判断基準を順番に解説していきます。
まずはWhとWの違いから理解していきましょう。
ポータブル電源のWhとWの違いをわかりやすく解説

スペック表に並ぶ「Wh」と「W」
この2つは全く別のものです。
例えるなら、こういう関係です。
- Wh(ワットアワー)=タンクの大きさ
どれだけ電気を蓄えられるか(容量) - W(ワット)=蛇口の太さ
どれだけ大きな電力の家電を動かせるか(出力)
水道で例えるとわかりやすいです。
タンク(Wh)が大きければ、長時間水を使い続けられます。
蛇口(W)が太ければ、一度にたくさんの水を出せます。
でも、タンクが大きくても蛇口が細すぎると、水圧が足りなくて使えない家電が出てきます。
これが「容量は足りているのに家電が動かない」という失敗の原因です。
| 単位 | 意味 | 確認する場面 |
|---|---|---|
| Wh(ワットアワー) | 蓄えられる電気の量(容量) | 「何時間使えるか」を考えるとき |
| W(ワット) | 一度に出せる電気の量(出力) | 「どの家電が使えるか」を確認するとき |
ヒカリちゃんなるほど!タンクと蛇口か。それはわかりやすい!
ワット博士このイメージを持っておくと、スペック表を見たときに「自分の使い方に合うかどうか」が判断しやすくなるよ。次は実際に必要な容量を計算してみよう。
必要な容量を3ステップで計算する方法

難しい公式は不要です。
3つのステップで自分に必要なWhがわかります。
ステップ1:使いたい家電の消費電力(W)を調べる
家電本体の裏面か底面を見てください。
「消費電力:○○W」という表示があります。
見当たらない場合は、メーカーの製品ページで確認できます。
主な家電の消費電力の目安はこちらです。
| 家電 | 消費電力の目安 |
|---|---|
| スマートフォン(充電時) | 約5〜20W |
| ノートPC | 約30〜65W |
| LED照明 | 約5〜10W |
| 扇風機 | 約20〜50W |
| 電気毛布 | 約50〜60W |
| 小型冷蔵庫(100L前後) | 約30〜60W |
| 電気ケトル | 約900〜1,300W |
| 電子レンジ(500W使用時) | 約700〜1,000W |
| ドライヤー(弱) | 約600W |
| ドライヤー(強) | 約1,000〜1,200W |
上記はあくまで目安です。
実際の消費電力は製品によって異なります。
必ずお使いの家電の表示を確認してください。
ステップ2:使用時間をかけてWhを計算する
計算式はシンプルです。
消費電力(W)× 使用時間(h)× 1.25 = 購入すべきポータブル電源の目安容量(Wh)
※この計算式はあくまで簡易目安です。実際の使用時間は変換ロスや家電の動作状況によって前後します。多くの場合1.2〜1.3倍の余裕を見ることが推奨されており、ここでは1.25倍を目安にしています。
例を見てみましょう。
- スマホ充電:2回分 = 約20〜30Wh
- LED照明(10W)× 6時間 = 60Wh
- 電気毛布(55W)× 7時間 = 385Wh
- 合計:約465〜475Wh → × 1.25 = 約580〜595Wh
→ 600〜700Whクラスが目安
- スマホ充電:3回分 = 約30〜45Wh
- 冷蔵庫(45W)× 12時間 = 540Wh
- LED照明(10W)× 5時間 = 50Wh
- 合計:約620〜635Wh → × 1.25 = 約775〜795Wh
→ 800〜1,000Whクラスが目安
ステップ3:変換ロス分を上乗せする(計算式に含まれています)
ポータブル電源は、蓄えた電気をすべて使い切れるわけではありません。
直流から交流に変換するときなどにロスが生じるため、実際に使える電力はカタログスペックの約80%が目安とされています。
ステップ2の計算式にすでに1.25倍が含まれているので、計算例の数字をそのまま目安にしてください。
ヒカリちゃん計算したら自分に必要な容量が具体的にわかった!
ワット博士そうだね。「なんとなく大きいやつ」じゃなく、これで自分の用途に合った容量を選べるようになるよ。次は用途別の目安をまとめておくね。
【用途別】ポータブル電源の容量目安一覧

計算が面倒な方のために、用途別の目安をまとめました。
自分の使い方に近いものを参考にしてください。
【日帰りキャンプ・ガジェット充電中心】300Wh前後

スマホ・タブレット・カメラの充電がメインなら、300Wh前後で対応しやすいです。
- スマホ充電:1回あたり約10〜15Whを想定した場合、15〜20回程度が目安
- LED照明(10W程度):約20〜25時間前後が目安
- ノートPC:約4〜8時間前後が目安
電子レンジやドライヤーなど消費電力の大きな家電には対応できない場合が多いため、用途が限られます。
軽くてコンパクトなモデルが多いので、「まず試してみたい」「荷物を減らしたい」という方に向いています。
【連泊キャンプ・車中泊】500〜1,000Wh前後

電気毛布・扇風機・冷蔵庫など、快適さに関わる家電を使いたい場合は500〜1,000Whクラスが目安です。
- 電気毛布(55W):約7〜16時間前後が目安(機種や設定で変動)
- 扇風機(35W):約11〜25時間前後が目安(機種や設定で変動)
- 小型冷蔵庫(45W):約9〜20時間前後が目安(コンプレッサーのオンオフで変動)
- スマホ充電:約25〜50回前後が目安
このクラスになると定格出力が高いモデルも増え、電子レンジやドライヤーに対応できる機種も出てきます。
「2〜3泊のキャンプや車中泊でしっかり使いたい」という方に向いています。
【防災・停電対策メイン】1,000Wh前後〜が目安

停電時に照明・スマホ充電・冷蔵庫などをまかないたい場合は、1,000Wh前後がひとつの目安です。
- 冷蔵庫(45Wクラス):半日〜1日前後が目安(コンプレッサーのオンオフで変動)
- 電気毛布(55W):約15〜18時間前後が目安
- スマホ充電:約50〜70回前後が目安
- エアコン(約800W):約1〜4時間前後が目安(条件差が大きい)
実際の使用時間は、変換ロスや家電の動作状況によって前後します。
特に冷蔵庫やエアコンは使い方による差が大きいため、余裕を持って考えるのがおすすめです。
災害時は停電が数日以上続くケースもあります。
家族の人数が多い場合や長期停電に備えたい場合は、2,000Wh以上の大容量モデルや拡張バッテリー対応モデルも検討したいところです。

容量だけで選ぶと失敗する理由

ここが多くの人が見落としやすいポイントです。
容量(Wh)が大きくても、定格出力(W)が足りなければ使いたい家電が動きません。
たとえば、1,000Whの容量があっても定格出力が600Wのモデルでは、消費電力700Wの電子レンジは動かせません。
- 300W以下:スマホ・ノートPC・LED照明など軽めの機器のみ
- 500〜700W:電気毛布・扇風機・小型冷蔵庫など
- 1,000W前後:炊飯器や一部の電気ケトルなど
- 1,500W以上:電子レンジ・ドライヤー・IHクッキングヒーター・高出力の電気ケトルなど
電子レンジ・ドライヤー・IHなどを使いたい場合は、家電の消費電力を確認しつつ、定格出力1,500W以上をひとつの目安にすると安心です。
ヒカリちゃん容量だけを見て選ぶのは危険なんだね!
ワット博士そうだよ。「Wh=どれだけ長く使えるか」「W=どれだけ大きな電力の家電を動かせるか」の両方を確認するのが正解だよ。
あなたに合うポータブル電源がわかる診断

「計算するのが面倒」「結局どれを買えばいいかわからない」という方は、この診断を使ってください。
質問に答えていくだけで、あなたに合う容量の目安がわかります。
A.防災・停電対策メイン → 下の「防災タイプ診断」へ
B.キャンプ・アウトドアメイン → 下の「アウトドアタイプ診断」へ
C.車中泊メイン → 下の「車中泊タイプ診断」へ
D.日常使い・テレワーク → 下の「日常タイプ診断」へ
冷蔵庫・エアコンも使いたい?
・はい → 1,000Wh以上+定格出力1,500W以上が目安
(冷房を長時間使う場合は2,000Wh以上も検討を)
・いいえ(照明・スマホ充電だけでOK) → 500〜700Wh前後でも対応しやすい
何泊する?
・日帰り〜1泊(スマホ・照明中心) → 300〜500Wh前後
・2〜3泊(電気毛布・扇風機も使いたい) → 700〜1,000Wh前後
・電子レンジや調理もしたい → 1,000Wh以上+定格出力1,500W以上
冷蔵庫・電気毛布は使う?
・どちらも使う(快適重視) → 1,000Wh前後+定格出力1,500W以上
・どちらか一方だけ → 500〜700Wh前後でも対応しやすい
・スマホ・照明だけでOK → 300Wh前後
テレワーク中の停電対策?それともガジェット充電メイン?
・停電対策でPCやルーターへのUPS目的 → 500〜1,000Wh+UPS機能ありのモデルを選ぶ
・スマホ・PCの充電がメイン → 300〜500Wh前後
診断で出た容量の目安をもとに、次のセクションで具体的なおすすめモデルを紹介します。
容量別おすすめポータブル電源を紹介

診断結果に合わせて、各容量クラスのおすすめモデルを紹介します。
容量・出力・持ち運びやすさ・充電速度のバランスが良いモデルを中心に選んでいます。
【300Wh前後のおすすめ】Anker SOLIX C300

日帰りキャンプやガジェット充電がメインなら、Anker SOLIX C300が選びやすい1台です。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 容量 | 288Wh |
| 定格出力 | 300W |
| バッテリー | リン酸鉄(LFP) |
| 重量 | 約4.1kg |
| 充電時間(AC) | 最短約68分 |
約4.1kgと比較的コンパクトで、持ち運びやすさが魅力です。
リン酸鉄バッテリー採用で安全性と長寿命にも配慮されており、最初の1台として選びやすいモデルです。
また、USB-Cは最大140W出力に対応しているため、スマホやタブレットだけでなく、ノートPCの充電にも使いやすいです。
定格出力が300Wのため、電子レンジ・ドライヤーなど消費電力の大きな家電には対応していません。
あくまで、スマホ・ライト・ノートPCなどを中心に使いたい人向けのモデルです。
【500〜700Wh前後のおすすめ】EcoFlow RIVER 2 Pro

私が実際に使っているモデルです。
768Whの容量と定格出力800Wを備え、キャンプや車中泊でも活躍します。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 容量 | 768Wh |
| 定格出力 | 800W(X-Boost使用時最大1,000W※) |
| バッテリー | リン酸鉄(LFP) |
| 重量 | 約8.25kg |
| 充電時間(AC) | 約70分 |
※X-Boostは対応家電に限ります。すべての家電に適用されるわけではありません。
充電速度の速さが最大の強みで、約70分でフル充電が可能です。
定格出力800Wのため、電子レンジ(700〜1,000W)を使う場合は家電側の消費電力を必ず確認してください。
【1,000Wh前後のおすすめ】Jackery ポータブル電源 1000 New

防災・停電対策や連泊キャンプで、しっかり使いたい方に向いているモデルです。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 容量 | 1,070Wh |
| 定格出力 | 1,500W |
| バッテリー | リン酸鉄(LFP) |
| 重量 | 約10.8kg |
| 充電時間(AC) | 通常約1.7時間・緊急約60分 |
定格出力1,500Wクラスなので、電子レンジ・ドライヤー・炊飯器など消費電力の大きめな家電にも対応しやすいのが強みです。
1,000Whクラスの中では最軽量水準の10.8kgで、持ち運びやすさも両立しています。
【2,000Wh以上のおすすめ】BLUETTI AC200L

家族で長期停電に備えたい・拡張性を重視したいという方には、2,000Whクラスのモデルが選択肢になります。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 容量 | 2,048Wh |
| 定格出力 | 2,400W |
| バッテリー | リン酸鉄(LFP) |
| 重量 | 約28kg |
| 拡張性 | 拡張バッテリー対応(最大8,192Whまで) |
拡張バッテリーを追加すれば最大8,192Whまで容量を増やせるため、将来的に容量を増やしたい方にも向いています。
重量約28kgのため、持ち運びよりも家庭内での据え置き使用をメインに考える方向けのモデルです。
【まとめ】用途に合った容量を選べば後悔しない
- Wh=タンクの大きさ(容量)。数字が大きいほど長時間使える
- W=蛇口の太さ(出力)。数字が大きいほど使える家電の幅が広がる
- 必要な容量は「消費電力(W)× 使用時間(h)× 1.25」で計算できる(あくまで目安)
- 容量(Wh)だけでなく定格出力(W)も必ずセットで確認する
- 用途の目安:300Wh前後(日帰り)/700〜1,000Wh(連泊・車中泊)/1,000Wh以上(防災)
「どのメーカーが自分に合うか」で迷っている方は、こちらの記事も参考にしてください。


ヒカリちゃんWhとWの両方を確認して、自分の使い方に合った容量を選ぶのが大事なんだね!
ワット博士そうだよ。スペックの数字に振り回されずに「自分が何に・何時間使うか」を起点に選べば、後悔しない買い物ができるんだ。ぜひ参考にしてみてね。

